靴下編みのススメ(その2)
我が毛糸靴下ライフのれきし~~私はいかにして靴下を編むに至ったか~~
a.
そもそも、かつて結構普通なことのようであった靴下を手編みするという行為がほぼ廃れてしまっていた。と、思われた。ウン十年前でネット以前の時代でしたからね、実態は調べようもないが、人がやってるのを見たことないし、市販書に編み方図が掲載されていたりもしなかった。お母ちゃんなどに聞いても「昔やったことがあるがもう忘れた」、つまり教えてくれる人も見つからず。小学校の担任の先生が、「若いころ流行った。人が編んでるのを見るとやってみたくてしょうがなくなり、編める人に教えて教えて~って教えてもらった。カカトが難しかった」という発言をしたのも覚えている。えー、靴下編んでみたいようと思っていた子供の私は、それから何年も何年も悶々とした日々を過ごすことになる。
b.
正確にはいつ買ったのか覚えていないが、地元H書店にて「新編編物独習書」(主婦と生活社)を発見。いやあ、当時はこういうものがその辺に普通に売っていましたねえ。奥付によると昭和57年第4版である。定価2800円という当時としては大層な高額品であるが、えいやっと買える年齢になっていたのでしょう。編物3技法の解説、小物下着からセーター等大物の作品編み方のみならず割出法も解説、しかも手編み・機械編み両方に対応というトンデモナイ良書である。靴下に関しても、マチなしマチつき両方、手編み機械編み両方に触れられている。
c.
おおお、欣喜雀躍。しかしな、読んでも理解できるとは限らないのであった(哭)。より難易度が低いと思われるマチなしが、なぜかどうしても理解できない。マチつきの解説のほうがわかりやすかったけど、減目の割出法などは全くの???。もう、ゲージもサイズもなにもかも無視で取り掛かりました。なんだかでっかくて不恰好な、しかし靴下の形になっているものが片方できました。感涙にむせぶ。が、そこで力尽きて倒れる。
d.
靴下編んでみたいようと、その後も延々悶々とする。ウン十年?が経過して、奇しくも時はインターネット時代となっていた。当時の私はおふらんす在住。で、たた&たた夫さんのサイトにたどり着くのであった。このサイトはいろいろと衝撃的であったが、おおおフランス式における裏編み法を矯正するだとか、中でもとてつもないインパクトを私に与えたのは輪針2本でどんな小さな輪でも編めるという項目。ぐおおおおおおとか雄叫びつつ、ワッチキャップなどを編み恍惚としていた。
e.
そうこうするうちに、Norinoriさんの爪先から編む靴下自動生成パターンとの邂逅を果たす。現在は公開されていないのが実に残念。これをアホのようにひたすら編む。と同時に私の毛糸靴下自給自足ライフがスタートしたのであった。
f.
が、ね。これはNorinoriさんがご自分用に開発されたものであり、彼女はどうも小さく薄い華奢な足の持ち主であるようだった。つまりねえ、マチなしで爪先とカカトを引き返し編みの一種によって形成するタイプなのだが、私の幅広甲高な足には大層窮屈であった。そこをカバーするためには、靴下周りを大きく取る、つまりは足部と脚部の継ぎ目の部分以外のフィット感を犠牲にするしかないのである。だぶだぶと。いやしかし、好みのフィット感を犠牲にした手編み靴下の存在意義ってのは???
g.
インターネット時代なのである。靴下編みというのは、どうも英語圏において発達普及しているようである。靴下糸の製造輸出大手はドイツとかイタリアだから、靴下編み文化も発達しているのでは?との推測もできるけど、字が読めないのでどうしようもありません。そしてまあ、英語圏と英米とを混同してるかもしれないけども、なんというか英語圏の人々は、何事かを一心不乱に極めてさまざまなノウハウを発明し、それを無料で他人に分かち与えるという文化を持っているようですね。ネット上にはフリーパターンやらフリー自動生成パターンやらの大海が広がっているのであった。
h.
いろいろ試したよー。履き口からのも爪先からのもいろいろあんだからー。爪先からでかつマチ付きだなんて、もう神か天才かとしか思えないのとかもいろいろあったよー。その中で、仕上がり具合つまりは見た目や着用感の好き嫌いに加えて、編む作業のリズム感の好き嫌いとかとか、いろいろ勘案していった結果、現在の形に至る。もっといい方法があるかもしれないけどあまり興味なく、いまやゲージ取ったりもせず決まった目数でてきとーにやってますね。毎年、おおむね10月から4月が毛糸靴下自給自足の期間となっている。シモヤケ体質だからですわ。自給自足などと大口叩いてるけど、せいぜい3~4足ぐらいをこうして半年、洗濯機でゴンゴン洗いつつローテーションしても3年あるいはそれ以上大丈夫なので、がんばって製造し続けているわけでもない。
ちょいとワルグチ
最近になってにわかに、英文パターンの解読法を説く本とか靴下編み本とかがたくさん出版されているようであるが、いやはや、そんなのは私の知る限りでも十数年遅れてますがなー。なんで今頃になってしたり顔なの?我が国ってのは、いまだに町田康先生の言う「ブンブロ」(海外文化ブローカー)が大いに商売になるのであるか。嘆かわしい。
英文パターンてのは、ごく普通に高校普通科を卒業した日本人に解読できないはずはないものだと思いますけどね。問題は英語力ではなく、英語テクニカルタームとその略称を編み技法と対応させる反射をいかにしてつけるか、つまりは慣れだけだと思いますよ。編物を全く知らない日本人に日本語パターンが解読できないのと同じこと。あ、日本には存在しない技法がたまにあったりするので注意が必要か。SSKてのを文字通りすべり目×2回そしてその次に表目1だと(勝手に)解釈し、総目数がネズミ算式に増えたあー(泣)というのも、今ではなつかしきおもひで(爆)。
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